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水牛珈琲/北千住ロケットロースターズ

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[焙煎] 低温長時間テスト

★フルーツ性を最大限に発揮させるための、ひとつのヒント

というわけで、ナイアガラ珈琲さん東京哲学喫茶さんで話題になっている珈琲豆専門店ぜにさわさんですが、それらの記事を読ませていただき、自分なりの想像で(笑)、いろいろと実験してみました。結論としては非常に面白い。大興奮です。

■テスト1 アウテ農園(パプアニューギニア)

まずは、もっともニュートラルな珈琲で実験!
アウテ農園300Gをドラムに。熱が逃げやすくなることは想像に易いので、アルミの囲い。遠赤外線魚焼き器を装備。

1 水分抜き
プロセスの全体像が分からないので(笑)、とりあえず、通常の炎で水分抜きを開始。多少通常より炎を絞ります。まあ、時間はいくらでもありますので、ゆっくりゆっくりと。
プロセス通りに、4分程度でグリーンが鮮やかになり、7分で白、ここで、先のことを考えて、少し進行を遅くします。通常9~10分程度で水分を抜ききるのですが、今回は12分で抜ききりました。綺麗なベージュ色で縮みが入る前の状態です。

2 本煎り
プロセスを目安として三段階に分けました。
最初は、少し強めの炎に持っていきます。縮みを起こすには多少強めの炎のショックが必要だと考えるからです。その状態で1分程度。その後は豆自体の温度上昇に任せるので、いったん炎を弱めます。
次が、いうなれば「粘り」。
ひたすら、温度上昇をチェックしながら、平衡状態に限りなく近い温度変化を作ります。
何しろ、あと、20分くらい煎りこむわけですので、温度を上げすぎてハゼが起こったら台無しですので・・・。
※実はこの過程で二度ほど、ハゼを起こしてしまいまして、「限界」をチェックしました。

3 縮み
通常の焙煎でも、1ハゼの前で豆が縮みます。ギュッと内容が圧縮されたような状態になり、それが「ハゼ」につながるのですが、それを焙煎開始からトータルで20分過ぎにもってきます。
ここまでの温度上昇プロセスが、この焙煎の場合、重要だと思います。
縮んだ豆は、あとは膨らむのを待つだけですので、その後の進行はあまり難しくないです。

4 膨らみ
縮みきった豆は、まさに1ハゼ前の状態。ただ、熱変化が相当ゆっくりのために、ここで急に炎を強めたところで、ハゼなくなっているみたいです。正直、はじめての実験なので、この先のプロセスは予想できないし、どうしようかなぁという感じ(笑)。
で、しばらく経つと、なんと、豆が膨らんでいるんですよね。きれいなベージュ色のまま、1ハゼ終了から2分のインターバルをとったときのように、ふっくらと皴が伸びて良い感じに膨らんでいるんです。
正直、これには驚きました(笑)
水分抜きが終了したときの豆みたいなベージュの膨らんだ豆になってます!

5 暫定的に煎り止め
というわけで、まあ、珈琲らしくなり煎り止め。
冷却。
煎り上がった豆は、センターカットで割ると周囲の組織が指でポロポロと崩れるような状態。
直火式なのに、熱風式のような仕上がりになっています。

※試飲
金属フィルターで抽出 92度の湯温で、20gから250ccを。
これは全く別の飲み物になっています。
最初に、杏、リンゴのようなアロマ。口に含むと、トロリとした甘い質感。甘みは果実の甘みです。その上に、キレイな酸味が乗ってくる。豆のレベルが5ポイントは上がった感じ。無個性で、ブレンドベースにしか使っていないアウテ農園が、すごい珈琲に仕上がってます。
通常の焙煎からマイナスになっているのは、カラメル、チョコレート、ナッツ。
しかし、それらを犠牲にしても余りあるフルーツのフレッシュな感じが出ています。
ホットでリンゴや杏のジュースを飲んでいる感じですかね。まあ、そんなに甘さは強くないですがね。

というわけで、これは楽しい、というのが感想。

このあと、追試をして、その後、マンデリンドロサングルと、ケニアマルシア、ラスデリシャス農園の3種類の豆を試しました。それぞれのキャラクターは大分丸くなりますが、それぞれ素晴らしい仕上がりです。

より追試を重ねて、お店で出してみようと思っています!

というわけで・・・

ではでは。
by sqnw040 | 2009-11-22 12:59 | ▼珈琲
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