人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

水牛珈琲/北千住ロケットロースターズ

squatters.exblog.jp

[焙煎] エスメラルダ 焙煎マニュアル

★今年の夏も感謝です。

というわけで、浅煎りで注意しなきゃなんないことを、自分用のメモとして。

私の場合、夏焙煎では

【最も浅い】
ケニアキリニャガ、パナマエスメラルダ農園ES3ゲイシャオークションロット「カーニバル」
【ちょい浅】
グァテマラパカマラ種ラスデリシャス農園、エルサルバドル・ラスノガレス農園・有機、カズブレンド、アンバーアイス
【ふつう】
ルワンダ・カレンゲラウォッシングステーション、エチオピアIDIDOナチュラル
【深い】
マンデリンスマトラタイガー19+、スーパーカロシトラジャ、ネパールネパリバザーロ
【もっと深い】
イエメンモカアラビアンオアシス、フレンチハノイ、
【もっともっと深い】
ブラックアイス、デミタスブレンド

という感じになってるのかな? いいかげんですが・・・。

で、そのなかでも、唐突ですが今日は、浅煎りの方法について書きます。

--
◇エスメラルダ オークションロット 

絶対に失敗したくない豆。人類の損失ですから。
守らなきゃならない浅煎りのポイントは、
「絶対に、毎回の焙煎重量を変えない」
ということです。

浅煎りは、深煎りより調整がきかないんです。深煎りは1stクラック後に結構調整が可能ですが浅煎りは終わっちゃうので・・・。ですので、一度決めた焙煎重量で、何度も何度もテストをして、大好きなコーヒーに仕上がるポイントを探る必要があります。
グラム数を変えたら、変化の角度が変わります。火力や排気はどうにでもなっても、歪んでしまった変化のカーブはどうしようもないです。「絶対に、定量で焙煎する」これが浅煎りの最重要ポイントだと思っています。

で、もうひとつのポイント。
それは水分抜きです。

最初の煎りに入る前に十分すぎるほど水分を抜きます。個々で、水分が抜けなければ浅煎りは失敗です。深煎りのほうがむしろ後半でリカバー可能かもしれないけど、浅煎りでは、このプロセスを失敗したら、焙煎は失敗です。

サンプルロースターで300gの場合、9~10分かけてベージュの状態まで確実に持っていきます。
この速度より速ければ、失敗。香りが醸成されません。
長いのはせいぜい10分30秒。11分以上かかってしまったら、火力が弱すぎたということです。
水抜きは、カロリーの度合に気を使います。
弱すぎてもダメ、強すぎたらもっとダメ。
私の場合は、この段階で火力調整を頻繁に行います。

豆色の変化は、エスメラルダの場合水分含有量が多い深いグリーン色から、明るいグリーンまでが4分程度、そのまま7分くらいまでキープし、8分30秒あたりから白くなってきて、9分30秒あたりでグリーンがかったベージュになる、という感じでしょうか。

ここまでがうまくいけば、あとは、豆自体の持つ素晴らしい甘みと香りを引き出すだけです。

【本煎り】
本煎りは、浅煎りの場合、重要なのは、ゴールイメージです。焼き上がりのイメージ、煎り止めのイメージをしっかりと持つこと。それにより本煎りの火力調整が劇的に変わります。
エスメラルダのゴールは、1stクラックの終了間際です。美しい酸味を魅惑的な甘みが包み込み、果実を食したときの舌ざわりと歯茎に触感を残して、すっと水のよう消えていく。その直後から、しばらくの間口のなかにすばらしいフレーバーが残る。そんな煎り加減。
豆は膨らみきっていて、指で潰すと、熱風式ならばほろほろと崩れ、私のような直火式ならば、少し表面に固さをたたえパチっという音とともに、芯が残らずつぶせる状態。
そういう理想の状態をしっかりと持つことが、大事なんです。

水分抜きを十分にしておけば、1stクラックまででも豆に芯は残りません。

というわけで、火力を上げます。
ここは、300gの焦げない限界火力です。一気に持っていきます。
ここのバルブは一瞬で開けます。
焙煎の火加減は、料理と一緒で、ためらいは禁物。ためらった火力調整は必ず豆に出ます。
それは、ほんの些細な刺激であったり、異臭であったり・・・。
火力はあげるときは一気にあげ、下げるときは一気にさげる。
それは、焙煎全般に言えるポイントだと思います。

2分程度。豆が悲鳴を上げているようですが、それはフェイク。煙を監視し、焦げないことだけを注意して、豆を虐めます。この段階の強い炎が、強烈な甘みを引き出すのです。
1stクラックは、軽く、しっかりと来ます。それと同時に、本当に生きてて良かったと実感できる香りが、放出されます。エスメラルダマジックです。ライムとパイナップルとナシとかそんな感じ。フルーツの良い香りです。
1stクラックが連続して起こったら、一気に炎を絞ります。
それでも豆が熱を持っているので温度は上がり続け、1stクラックはピークを迎えます。

【煎り止め】
そして、ゴール。1stクラックのピーク中から、煎り豆を目と鼻で確認します。
標さんは、豆を見ずに音だけで釜の中の状態が見えたといいますが、私は無理なので、いちいち確認します。この先3秒程度で香りが変化するな、という状態で、素早く下ろします。
スグに、ザルへ。ファンを最大にして、冷却とチャフ飛ばしをします。
1stクラックは、おそらく最後までいってないでしょう、そんな状態。多少、煎りムラのようにクラックを迎えていない豆が混じっています。が、すべての豆がしっかりと膨らんで焙煎直後から素晴らしい香りを放っています。
荒熱がとれたら、少し放置します。

【試飲】
試飲は、浅煎りの場合、私はエスプレッソで行います。
エスプレッソでワンショット淹れて、香りとボディが感じられたら、申し分ないです。
冷えてからの酸味と甘みの上がりを確認し、最高の時間を過ごします。

【プレス】
[焙煎] エスメラルダ 焙煎マニュアル_d0020652_20462776.jpg


賛否両論あると思いますが、実は、カフェプレスで淹れると、本当にこの珈琲の素晴らしさが分かります。挽きは、某さんとかには怒られてしまいますが、細挽き。
豆のすべての要素を引き出すには、細かいほうが良いです。30gをボダムのケニアのデカイほうに入れお湯は80度を400cc。4分間放置してプレスすると、もうたまんないです~、ほんと、な珈琲になります。ケニアの浅煎りも、プレスがいいですね。
プレスは実は誤解されてて、それは、粗挽き10gで300ccみたいな淹れ方を85度程度の湯温で出してしまうからだと思っています。薄く水っぽい珈琲に、かすかに、スペシャルティコーヒーの素晴らしい香りと酸味が感じられる出がらしのようなイメージ・・・。あれは、あれで美味しいのですが、ネルドリップ派出身の私としては、物足りない。
少し濃い目が果実感があって、ネルドリップ派諸氏も大満足のはずです。

※超浅煎りケニアも、プレスで淹れると本当に幸せになれます。

ってここまで書いたら口のなかがエスメラルダになっちゃったので、HANOI&HANOIに寄って、自家消費します~


ではでは。
by sqnw040 | 2009-08-30 20:40 | ▼珈琲
<< [生豆] 新しいマンデリン発注 [産地] [Twitter] ... >>